2024年11月5日についにアメリカ大統領選挙が行われます!ここ最近はニュースでも街中でも選挙の話題に触れる機会が多くなったのではないでしょうか?
この「知って役立つアメリカ生活!」シリーズでは、アメリカ生活の中で役立つ「知ってることで話題についていける」ものの解説を行なっていきます。そして今回は今話題の選挙についてです!
少しでも理解していることでテレビで見る内容、友人などと集った時のスモールトークへの理解が高まったりするといいなと思います。
アメリカ大統領選の日程
アメリカ大統領選は4年に一度、夏季オリンピックが開催される年に開催されます。投票日は実は法律で決められていて、必ず「11月の第一月曜日の翌日の火曜日」です。なので今年行われる大統領の投票日は2024年11月5日(火)となっています。
アメリカ大統領選の仕組み
この大統領選の投票日に向けて、約1年以上からたくさんの動きがあります!それでは実際に選挙に向けてどんなプロセスを経ているかを見ていきましょう。
ステップ1、党員の中から候補者を選ぶ予備選挙
大統領選は基本的には
現行の大統領 vs相手の党の候補者
この戦いになります。
アメリカの大統領は1期4年間、最長で2期(8年間)務めることができ、任期満了となった際には
現行の大統領 vs 相手の党の候補者
この構図ではなく
民主党の候補者 vs 共和党の候補者
の戦いになります。
過去の大統領を見ると、2期勤めて満期となった人がここ最近は多いですね。
(画像参照、https://www.ipl.org/div/potus/)[/caption]
選挙の第一ステップは、党内での候補者を選ぶことです。
今回の選挙を例にとると、現行の民主党バイデン大統領は現在一期目を終了するタイミングなので、今回は共和党から候補者が複数名立候補します。その中でディベートなどを経ながら共和党の候補者が絞られ、各州での予備選挙・党員集会を経てその党の中から指名候補者が一人選ばれます。
(厳密にいうと現行大統領の所属する政党でも同じプロセスを経て指名候補者が選ばれますが、二期目への再選に向けて現行大統領が立候補する場合、現行大統領よりも有力な対立候補が現れないことが多いです。)
ステップ2、党の候補者同士が争う本選挙
ここからは一対一の戦いになります!
テレビなどでも一対一のディベートを見ることができたり、それぞれの候補者がさまざまな州を訪れてスピーチをしたり、どんどん盛り上がりを見せていきます。
そして最終的に、選挙権を持つ有権者それぞれの投票により決まります。ただ、それぞれの一票が直接投票されるのではなく、すごく簡単にいうとそれぞれの州でどちらが勝つかによって振り分けられるポイントが変わってきます。
(画像参照、https://www.ipl.org/div/potus/)
私が住むコロラド州は10得票、つまり有権者からの投票で選ばれた方の党に10ポイントが加算されることになります。
なので、たくさんの州で勝ったとしてもポイント数の高い州での勝利で逆転されてしまう、なんてこともあります。
アメリカ大統領選の豆知識
さて、大まかな流れはこれでお分かりいただけたでしょうか?それではここからは、大統領選に関して知っているといいポイント、実は知らない人も多いポイントについても少し紹介していきます。
アメリカ大統領の任期
アメリカ大統領の任期は一期につき4年で、日本のように「国会解散」など途中で辞めることはできません。一人につき最大二期、大統領を務めることができます。
今までの大統領の政党
この記事を書いている2024/10/22現在の大統領であるバイデン大統領は民主党です。
過去の大統領を見ると以下の通りです。
- 2021- Joe R Biden/民主党
- 2017-2021 Donald J Trump/共和党
- 2009-2017 Barak H Obama/民主党(二期満了)
- 2001-2009 George W Bush/共和党(二期満了)
- 1993-2001 William J Clinton/民主党(二期満了)
- 1989-1993 George H Bush/共和党
- 1981-1989 Ronald W Reagan/共和党(二期満了)
今回の選挙の見どころ
今回の選挙ですが、2017年から4年間大統領であったトランプ氏と現行大統領であったバイデン大統領の戦いとしてスタートした戦いでしたが、バイデン現行大統領が戦いを降り、現行副大統領であるカマラ氏に戦いをバトンタッチしたというドラマチックな展開が繰り広げられています。
ここ最近問題になっている移民問題、経済の問題への取り組みだけではなく、長く続いている中東の問題に対して、国際的に強い力を持つ国際社会のリーダーとしてどのように取り組んでいくか…アジェンダがたくさんある中での大統領選は世界中からの注目を集めています。
大統領候補は実は二人だけではない!?
テレビなどでも民主党vs共和党の戦いとして取り上げられているので実は知らない人もいるかもしれませんが、大統領候補は二人だけではない、民主党と共和党だけではないってご存知でしたか?
実は大統領選に向けて立候補しているのは民主党と共和党だけではなく、そのほかにも
- Approval voting
- Libertarian
- Green
- American Constitution
- Unity
- Unaffiliated
というそれぞれの所属(あるいは無所属)からも候補者は出ています。実際に投票用紙を見ると、それぞれの候補者の名前も載っており、選べるようになっていることがわかりますね。
「え!?そんな他の候補者がいたなんて知らないし、彼らはどこで何してたの!?」なんて思う人もいるのではないでしょうか?
実際他の党、他の候補者はいるものの、長く続く選挙戦への資金やスポンサーの数、それに付随したキャンペーンへの注目度合いなどなど、たくさんの理由から民主党と共和党以外の候補者はなかなかメディアにも出ることがなかったり、あまり注目が集まらないのが現実です。
リパブリカン、デモクラッツ、リバタリアン?
政治の話になると「自分はDemocrats(民主党)を支持してる」「私はRepublican(共和党)派だ」なんて表明する人もいますが、最近実はLibertarianism(リバタリアン)の政治思想を支持している人の割合も増えているようです。
民主党、共和党、リバタリアンについて、遊び場のルールに例えて説明しましょう。
民主党は、全ての子供が遊具を公平にシェアできるように、また誰も仲間外れにならないように、たくさんの遊び場監視員が必要だと考える子供たちのようなものです。公平さを保つためにルールが必要だと考えています。
共和党は、遊び場監視員は安全を確保し、伝統的な遊び方を守ることに焦点を当てるべきだと考えますが、細かいことまで監視員が関わる必要はないと考える子供たちのようなものです。
リバタリアンは、「遊び場監視員はほとんど必要ない!私たち自身で問題を解決できる!」と考える子供たちのようなものです。人々(子供たちでさえも)は、多くのルールや指示がなくても、自分で選択し、問題を解決できる賢さを持っていると信じています。
「自由至上主義」なんて言葉で表現する人もいます。
政治や経済の話となると、どうしても「難しそう」「日本語でも難しい話題なのに、英語でしかもシステムがわからないと話についていけない」と感じてしまいますよね。
私も前までは「みんなすごく話しているけどよくわからない」と感じていました。もちろん知らなくても生活に支障はありませんが、知ってる方がニュースも人が話してるのももっと面白くなってきます。
今回の記事が、皆さんがニュースや周りとの会話を少しでもより理解できる助けになれたら嬉しいです。