皆さんは、お金の管理はどのように行っていますか?日本を離れてアメリカという異国で生活していると、インフレの影響を強く感じたり日本よりも圧倒的に高い子育て関係の費用や医療費など、お金の心配が尽きないという人もいるのではないでしょうか?
今回は、アメリカで数百万人の人々を借金地獄から救い出してきたファイナンシャル・アドバイザー、Dave Ramseyが開発した「7つのベビーステップ」について解説していきます。
Dave Ramseyはアメリカでは有名なパーソナルファイナンスのアドバイザーです。自身の過去の1億円以上を超える負債から這い上がり、今では誰もが実践できる具体的なステップ、7 Baby stepsを中心にたくさんの人のパーソナルファイナンスについてのアドバイスを行なっています。日本で例えると、家計管理の分野での「池上彰さん」のような存在と言えるかもしれません。複雑な金融の話を誰でも分かるように説明して、多くの人の人生を変えた人として知られています。
ステップ1:緊急資金として,000を貯める
目標:$1,000の緊急時貯金を作る
まずは小さな緊急事態に対応できる最低限の資金を確保します。車の修理費や医療費など、予期せぬ出費があってもクレジットカードに頼らずに済むようになります。
実践のコツ:
- 副業や不用品の売却で資金調達
- 家計を見直して無駄な支出をカット
- この段階では投資は一切しない
ちなみにbaby stepsが開発されてからこの金額は変わっておらず、中には「今の時代にそぐわない金額設定なのでは?」という指摘もありますが、Dave Ramseyはラジオの中で「ここでは金額の大きさは関係ない。あくまでお金への意識を向ける、そして1000ドルという生活の中で意識すればすぐ貯めることができる金額をまず貯められるように意識をすることが大切」と言っていました。
ステップ2:住宅ローン以外のすべての借金を完済する
目標:住宅ローンを除くすべての借金をゼロにする
クレジットカード、自動車ローン、学生ローンなど、住宅ローン以外のすべての借金を「債務雪だま式」で返済します。最小額の借金から順番に完済していく方法で、心理的な達成感を味わいながら進められます。
実践のコツ:
- 借金を金額の小さい順にリスト化
- 最小額の借金に集中的に返済
- 完済したら次の借金へ支払額を上乗せ
- 家計を極限まで切り詰める
ステップ3:緊急資金を3〜6ヶ月分の生活費まで増やす
目標:3〜6ヶ月分の生活費を緊急資金として確保
借金がなくなったら、本格的な緊急資金の構築に取り組みます。失業や大きな病気など、人生の重大な危機に対応できる資金を蓄えます。
目安の期間:
- 安定した職業:3ヶ月分
- 不安定な職業や自営業:6ヶ月分
- 単身者:3ヶ月分でも可
- 家族がいる場合:6ヶ月分推奨
特に日本にまだ家族がいる人は、いざという時に日本に帰るお金、滞在費なども考慮しておくといいかもしれませんね。ここで貯めるべきはOOヶ月分の【給料】ではなく【生活費】です。なので家賃や住宅ローン、保険、車のメンテナンス代、食費や光熱費などを把握した上で算出しましょう。
ステップ4:収入の15%を退職後の資金として投資する
目標:総収入の15%を老後資金として投資
ついに投資のスタートです。401(k)やIRA(日本では確定拠出年金やiDeCoに相当)を活用して、長期的な資産形成を始めます。
投資の優先順位:
- 会社の401(k)マッチング分まで拠出
- Roth IRA(日本ではつみたてNISAに相当)を上限まで
- 残りを401(k)で15%になるまで拠出
ステップ5:子どもの大学資金を貯める
目標:子どもの高等教育費用を準備
子どもがいる家庭では、大学などの高等教育費用の準備を始めます。ただし、自分の老後資金を犠牲にしてはいけません。
重要なポイント:
- 老後資金(ステップ4)を優先
- 529プラン(日本では教育資金一括贈与の非課税制度等)を活用
- 子どもには奨学金や働きながらの学費調達も選択肢として伝える
ステップ6:住宅ローンを早期完済する
目標:住宅ローンを予定より早く完済
老後資金と教育資金の準備ができたら、住宅ローンの早期完済に取り組みます。追加返済により利息を大幅に削減できます。
効果的な方法:
- 毎月の返済額に追加で元本返済
- ボーナスや臨時収入を繰り上げ返済に充当
- 借り換えで金利を下げることも検討
ステップ7:資産を築き、寄付をする
目標:真の経済的自由と社会貢献
すべての借金がなくなり、十分な資産が築けたら、最終段階です。より積極的な投資や不動産投資で資産を拡大し、同時に社会貢献も行います。
この段階でできること:
- より積極的な投資戦略
- 不動産投資
- 慈善活動や寄付
- 次世代への資産継承の準備
我が家のお金のルール
我が家はお金のことをよく話す夫婦だと思いますし、話す中でお金に対する価値観がとても似ていることが助かっている部分もあります。今回はお金の話題ということで、我が家のお金に関する共通認識、ルールについても少し紹介します。
キャッシュ一括で買えないものは買わない
まずはこちら、「買えないものは買わない」です。
なんだか当たり前のように聞こえるかもしれませんが、ただこれを無視して身の丈に合っていない生活をしているアメリカ人はとても多く、pay check to pay check、つまり給料が入るまで生活費がギリギリで、次の給料日に頼るしかない状態で生活をしている人が多いです。
我が家は、特に買ってすぐに資産価値が下がるものに関しては絶対にローンを組みません。なので車も基本はキャッシュ一括で購入、キャッシュ一括が憚られるものは自分たちが買うべきものでないという判断をしています。
アメリカでの家に関しては資産価値が上がっていくことが多く、また税金の面でも優遇されることがあるのでローンを組む決断をしました。こちらに関してはDave Ramseyも同じ意見で「家のローンについては許容」という考えです。ただ、こちらに関しても「いざという時に他の資産で一括で返せるのが理想」という考えもあります。
子供の学業への資金の積立について
こちらについてはまだ話し合いの最中でもありますが、我が家は話し合った結果、アメリカで人気の学資積立である529はやらないことにしました。
やらないと決めた理由は以下の通りです。
- 積立てている間に選べる運用商品に限りがある
Roth IRAなどの積立であれば、運用商品が豊富にあり、そこのコントロールもアカウント持ち主に権限が大きくありますが、私たちが調べた段階では529 Planではあまり運用の選択肢が多くありませんでした。その点私たちは自分たちである程度コントロールできる投資先の方があっていると感じました。 - アメリカ国外の大学に進学した場合、使える学校に限りがある
アメリカ国内の大学に進学する場合であれば、529Planを使って学校に関わる費用の学費や学校に必要な諸経費を使うことができますが、もしアメリカ国外の大学に通うとなった場合、529Planを使うことができる学校の選択肢が狭くなります。私たちが調べた時には日本だと東北大学だけでした。我が家は大学での留学も積極的に検討しているので、この選択肢を広く持っておく意味でも我が家のニーズにはあまり当てはまらないと思いました。 - 大学進学をマストと考えていない
我が家は私が大学卒、夫は大学中退からの起業をしています。もちろん大学に入ってくれた方が後々の選択肢も広がるし子供にも勧めたいのですが、学び方は人それぞれ、学方法も人それぞれだし、夫のように学校が合わなくて起業する人もたくさんいる今の世の中です。それもあり、我が家は「大学は必ず進めるものではない」という気持ちもあったので、「学資目的」と使用目的が限定された方法じゃない方がいいのでは、という考えのもと選ばないことにしました。 - Custodial IRAという選択肢
ただ、大学に行く可能性は大きく、もし行く場合には多額のお金がかかってくるもの。子供が大学に行くにせよ行かないにせよ、行くという選択肢を考慮してお金は用意しておきたいというのは共通認識です。なので我が家は529 PlanではなくCustodial IRAという選択肢を取り、子供用の将来のお金を積立、運用することにしています。
老後の資金について
日本でもしばらく前に「老後2000万円必要問題」なんて騒がれていましたが、医療費が高額になるアメリカでも老後資金の心配をしている人も多いと思います。我が家Roth IRAは毎年最大拠出可能額を年始にすぐ入れるようにしています。
401Kについては我が家は話し合った結果、我が家の考えには合っていないという理由のもとやらないことにしています。
投資について
夫と私は元から投資やお金、経済の話をするのが好きだったのですが、投資のスタイルは大きく違っていました。どちらかというと夫はリスクをとってハイリターンをとっていくスタイル、私はバランス方で保守的な考え方。結婚してからお互いのうまいこと間に落ち着き、夫はこれまで通りのスタイルで投資を進めていく中、私は堅実な資産を着々と増やし、ポートフォリオのバランスをよくしていこうと進めている最中です。
去年自分たちの家も買ったので、来年には投資用不動産も購入する計画で進めています。
まとめ:成功の秘訣
Dave Ramseyの7つのベビーステップが効果的な理由は:
- 順番を守る: 各ステップを順番に実行することが重要
- 心理的な効果: 小さな成功の積み重ねがモチベーションを維持
- 現実的な目標: 無理のない範囲で着実に進める
- 借金との決別: クレジットカードに依存しない生活習慣の確立
この方法論は、アメリカで実際に数百万人の経済状況を改善してきた実績があります。中には「彼の考え方は時代には合っていなくて古い」なんていう批判をする人もいますが、パーソナルファイナンスが好きな私からするとこのメソッドは、誰もが取り組み始めることができ、そして堅実で確実に経済的な状況を改善することができるとてもいいステップだと思います。
皆さんもこの機会に、家族で座って家計のこと、今後のこと、お金のことを話すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?
注意:投資には元本割れのリスクが伴います。実際の投資判断は、ご自身の責任で行ってください。また、税制や金融商品に関しては、専門家にご相談することをお勧めします。
